正義の異星人

地球にある異星人がやってきた。名前はAという。

彼は正義の心が非常に強かったので、地球の悪を滅ぼすためにはるか彼方からやってきたのだ。

ここで読者は、きっと、「最終的に、人類が悪なのだから人類が滅ぼされるんでしょ?はいはい、読めた読めた」と思って思考停止すると思うのだが、なんとAはそういう思考さえも滅ぼしてしまうのだ!

そう、Aは絶対的な正義なのだ!!

ある日Aは銀行に来ていた。その日府中で競馬が行われるので種銭が必要だったのだ。

なんとそこで偶然、銀行強盗が行われようとしていた!

強盗は言った。「おい騒ぐな!少しでも騒ぐとこれだぞよ!!バンバン!!」
強盗は片手に持っていた銃を天井に向けて撃った。

当然悲鳴が上がったが、Aは悲鳴を上げた人達をひっぱたいた。

そう、ここで悲鳴を上げると強盗のボルテージを上げることになってしまい、結果的に死傷者の数が増えてしまうかもしれないのである。

なんとも誤解を生みかねない正義であるが、仕方がない。

Aはまず様子をうかがうことにした。

強盗はどうも常習犯らしく、すごく手際がよかったので、Aはついつい見惚れてしまった。

気がついたら、強盗は金庫の金すべてをバッグに詰めて立ち去ろうとしていたのだ。

読者はこう思うだろう、「そうだ!!ここで強盗に立ち向かうのがベストだ!」(←はい、今消えた~)

Aも当然そうするはずだった。しかし、ここで問題が生じてしまった。

Aも異星人とは言え人間と同じだ、ミスはしてしまう。
なんと、あろうことか、この瞬間は競馬のことを考えてしまったのだ!!

そして強盗は去ってしまった。
だがAのおかげで死傷者は一人もでなかった。

競馬場ではけが人が出た。
Aが殴ったのだ。

感想

読者の先読みという悪を消すのは面白い。
あと強盗の「これだぞよ」はかなりツボ。

結局Aは普通の存在どころか悪のような気がする。

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